塩ビとサッカリンの場合

塩化ビニールといえばポリマーをさしますが、そのモノマー、すなわち塩ビモノマーも発ガン性をいわれています。発火点は、アメリカであって、食品医薬局FDAは、その製造、販売の禁止を提案しました。FDAの指摘するところによると、工場で塩ビモノマーからポリマーをつくる作業に従事する労働者に、肝臓ガンが多発しました。その結果、労働環境での許容基準値が、500ppmから1ppmに切り下げられました。塩ビ製品中のモノマーの含有量は、1〜2ppm以下でないと、それが水にとけだすといいます。東京都の調査によれば、醤油や食用油の塩ビ硬質容器の44%は0.5ppm以下でしたが、最高142ppmという数値がでました。本来、重合工程が完全であれば、モノマーはすべてポリマーになるわけで、この問題は、技術的に解決される性質のものです。さしあたり、学校給食用の食器について厳重な措置をとるべきだ、という声もあります。

いまや私たちは、多くの発ガン物質を知っていて、いちいち取り上げればきりがありません。リゾゾーム酵素をつうじて酵素的にDNAを攻撃する物質は、無限にあります。ただその加水分解酵素は酸性の環境において活性をあらわす性質のものですから、体液を適当なアルカリ度に保つ限り、発ガン物質のリストは大幅に縮小するはずです。この条件の採否によって、発ガン物質のリストは変動するのです。

サッカリンに例をとりましょう。厚労省は1973年4月、アメリカでの発ガン性発表を受けて、使用禁止に踏み切りました。そして同年12月、食品衛生調査会の毒性添加合同部会は、それを解除して、体重1キログラムあたり1日1ミリグラムを許容基準量としました。ついで1974年4月、国立衛生試験所が発ガン性を否定する実験結果を発表すると、許容基準量は5倍に引き上げられました。
そして、この問題は、今日もなお、くすぶり続けています。

 


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