酸化ということ

生体にとって、酸化という現象は大問題です。地上に酸素がなかったら、わたしたち動物は生きていられません。そしてまた、わたしたちの寿命を縮めているのは酸素だといわれます。「酸化老化説」という学説もあります。

酸化とは、もともと、酸素が結合する形の化学反応を指す言葉です。鉄が酸化するとは、鉄に酸素が結合する現象です。

この現象を電子レベルで考えてみましょう。鉄の原子では、鉄を特徴付ける原子核のまわりにいくつかの電子がまわっています。その電子は、いくつかの規定の軌道にしばりつけられています。そしてまた、電子はそれぞれに自転しています。これを「スピン」といいます。

このような原子の形態は太陽系に似ていますが、違う点があります。惑星は、一つの軌道に一つしかありませんが、原子ではそうではありません。惑星はどれも同じ方向に自転していますが、電子はそうではありません。右回りスピンの電子の数が左回りスピンの電子の数に等しいときに安定です。

カルシウムが酸化されると酸化カルシウム(CaO)になります。いわゆる生石灰がそれです。この場合、カルシウム原子にしばりつけられた電子のうち、いちばん大きな軌道をまわるもの二個が奪われて、酸素原子のまわりをまわるようになります。そこで、酸素はカルシウムから電子を奪ったわけです。このように、電子を奪うことを酸化といいます。

一方、「還元」という言葉があります。化学上ではこれは、元にかえることを意味しはしません。電子が付加される現象を指して、還元というのです。電子を奪われるものがあれば、奪うものがあります。奪われたほうは酸化され、奪ったほうは還元されます。酸化と還元とは、物の表裏なのです。そこで、これをトータルにみれば、「酸化還元反応」となります。ここには電子の伝達があるので、このシステムを「電子伝達系」といいます。

 

 


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