サルや人間はビタミンC合成能力がない

鳥でも牛でも犬でも、ビタミンCを体内でつくっています。そして、モルモットやインド産のコウモリなど、わずかな例外を除けば、ビタミンCの自給ができないのは、サルと人間だけです。最も進化した動物のみが、ビタミンC合成能力を欠くのです。この事実は、動物進化の過程で、サルが出現した段階で、ビタミンC合成酵素が失われたことを示しています。サルという高等動物は、ビタミンC合成という作業から解放され、そのために浮いたタンパク質やエネルギーによって、高等動物にふさわしい能力を獲得したのでした。

ビタミンCをつくる器官は、鳥類や両生類や爬虫類では腎臓、哺乳類では肝臓です。これは、ビタミンCの要求の高まりにつれて、小さな腎臓から大きな肝臓へと、製造工場が移転したもの、と理解されています。同じ鳥類でも、進化の段階の高いものでは、腎臓ではなく、肝臓でこれをつくっています。

このような、ビタミンCへの要求の高まりのなかで、突然変異が起き、サルはこの合成能力を失いました。そこで彼らは、ビタミンCの豊富な密林に釘付けにされています。
そして私たち人間は、農業によってビタミンCを含む食品をつくり、これを分配する知恵をもつために、地球上のどこにでも住むことができるようになったのです。

個体発生は系統発生を繰り返す、という名言が想起されますが、人間の乳児は、生後10ヶ月ほどの間、自前でビタミンCをつくっています。
この機能がどのような機序で失われるか、は興味深い問題ですが、成人にも多少はこの機能が残っているだろう、と考える人もいます。

ところで、サルが突然変異によって失ったものは何かというと、Lグロノラクトン酸化酵素という名の酵素です。

一般に哺乳動物の肝臓では、血糖からビタミンCをつくっています。その過程は、ブドウ糖から出発して五段階の変化をたどります。突然変異は、その四段階目の代謝を、酵素の欠落によって消し去ったのでした。

 


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