ユビキノン(コエンザイムQ)にはどんな働きがあるか

ユビキノンは、ビタミンE、ビタミンKとよく似た物質ですから、ビタミンと呼ばれる資格がありそうです。しかし、体内で合成される物質は、ビタミンと呼ばれないというだけの意味で、ユビキノンはビタミンではありません。

ビタミン一般の働きがそうであるように、ユビキノンの主要な役目は補酵素です。それでそれを、「補酵素Q」と呼びます。英語では「コエンザイムQ」です。コエンザイムQが体内で合成されるとき、原料はおそらくビタミンEでしょう。したがって、ビタミンEの服用は、コエンザイムQの服用とほぼ同様の意味をもちます。

生体が、ブドウ糖や脂肪酸の酸化によってエネルギーを発生する代謝において、コエンザイムQは重要な補酵素としての役割をもっています。したがって、コエンザイムQを服用すると、心筋や骨格筋の機能がよくなります。

心臓が悪いとき、心筋のなかでのエネルギー発生が低下しています。ここに、コエンザイムQを与えると、呼吸困難、不整脈、動悸、息切れなどが改善されます。心臓の拍出量の増大、血圧の下降などもみられます。ラットはビタミンE欠乏食で筋ジストロフィーを起こしますが、このとき、血中コエンザイムQの量が低下しています。

コエンザイムQは、歯槽膿漏の予防や治療に、ダウノマイシン、アドリアマイシンなどの「抗ガン剤」の副作用の防止に使われます。