わたしたち成人は、さまざまな器官や組織をもっています。これは、分化した細胞をもっているということです。

わたしたちのからだは、もとはといえば一個の卵細胞(卵子)です。これは未分化の細胞でした。これが分裂して数を増やしたわけですが、その過程で分化が起きたのです。

皮膚の分化を例にとりましょう。皮膚という名の上皮組織の細胞は、「基底層」とよばれる組織の細胞の分裂によってつくられます。ただし、基底層の細胞は、「有棘細胞」という名のとげのある細胞に分化し、それがまた、「顆粒細胞」という名の細胞に分化します。それが死んで「角質細胞」になるのです。この過程に約二週間の時間がかかります。この分化に、ビタミンAがかかわります。これが欠乏すると、皮膚があれたり、ウオノメができたりします。

ある組織の細胞に損傷が起こると、そのまわりの損傷をうけていない細胞は、分化の過程を逆行します。これを「脱分化」といいます。脱分化した細胞は分裂して数を増やし、これが再分化して、もとの組織を再生します。

このように分化の起こる場合はいろいろですが、その根本にコーディングのあることは明らかです。そこで細胞分化ビタミンはフィードバックビタミンに近いものとなります。ただ、各ビタミンの比重関係は違うはずです。

◉ 分化ビタミンのリスト
→ビタミンA

細胞分化にコーディングが存在することは明白です。したがって、ここにはフィードバックビタミンも参加しているに違いありません。ただし、そのようなことは暗黙の了解事項に属します。

 

 

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